21世紀の佐渡はどうなっているのでしょう。
トキは空を飛んでいますか。
田んぼは豊かで、暮らしは楽しいでしょうか。
今、21世紀の佐渡を語り合いましょう。

               環 境 庁 主催

トキの野生復帰をめざして

共生と循環の地域社会づくりシンポジウム

  平成12年11月18日、19日

  佐渡島開発総合センター、朱鷺がいた生息地 


公開シンポジウムのパンフレット
基調報告

    佐藤春雄氏  佐渡とき保護会・会長
    池田 啓氏  コウノトリの郷公園・田園生態研究部長
    呉地正行氏  日本雁を保護する会・会長
    近辻宏帰氏  佐渡トキ保護センター・センター長

プレワークショップ報告

    佐藤 準氏  佐渡トキ保護センター獣医

パネリスト

    小林 光氏  環境庁長官官房審議官
    佐藤春雄氏  佐渡とき保護会・会長
    山本茂樹氏  JA佐渡代表理事組合長
    高野 毅氏  佐渡新穂村生椿農家

交流・活動報告会

   「ドジョウの養殖池の取り組みと中国との児童生徒交流」
       本間権市氏  佐渡新穂村・村長
   「中国陜西省、洋県の取り組み等の紹介」
       水田はなか  ミズコーポレーション 代表
   「越後棚田サポーター活動の紹介」
       新潟県農地部
   「ホタルの里」取り組み活動内容
       久知河内地区・ホタルの会
   「両津市野浦地区の野浦たんけん隊報告」
       野浦部落のみなさん

佐藤先生プロフィール

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  〜シンポジウム〜

   活動報告会における発言:

           (テープ起こしによる)     水田はなか

◆ 縁
名前は水田みずたと申します。スイデンという単語で、今日は嬉しく感じた。
会場には私の小学校の先生もおられたし、トキ保護会の佐藤春雄先生は
高校の恩師です。だから私はこの佐渡に住んで育ち、いま中国の仕事を
しており、トキとは縁があります。
先生方の話で、水田とトキと暮らしと人間の共生、といっており、因縁・
ご縁を今日は感じた。
私の家は江戸の小さな武士で、金山の見張り役で佐渡に来たらしい。
それで治水工事に関わり、みずた(水田)という苗字を貰ったらしい。

◆ 経緯
本来なら洋県のシー・ヨンメイ(席咏梅さん)本人がここで話せれば良
かったが、彼女は来る事ができなかった。私は行動を一緒にしたり、現
地でのコーディネーター等をして事情が解るので、今日はここで中国の
話をさせていただく。

◆ トキは天からの贈り物
中国ではトキの事を「紅鶴」(ホンホオー)といっている。
一番最初に新潟県の平山知事や行政の方たちと西安に陳情に行った時、
空路を開けて欲しいというお願いと同時に、何度も朱鷺の事をお願い
しているが、その一番初めの頃、西安市内の人達は朱鷺とは何の事か
知らなかった。当時は中国の学名で言っても解って貰えなかったので、
辞書で調べていた「紅鶴」という言葉を使って、新潟と佐渡と中国を
つなぎたいと通訳したら、とても喜んでくれた。
中国の人達は、トキは「天からの贈り物」という。自分の家の庭の大
きな木をネグラにしている農家に取材、調査にいくと、中国の「天」と
いうのは神様に等しいのだが、「神様からの贈り物で私たちの守り神」
だという。

◆ 朱鷺によってもたらされたチャンス
佐渡でこのようなシンポジウムが開かれ、ここに住む私たちが関わって
いく。そして日本での、湿田の楽園のモデルケースとして進んでいける
のだったら、トキが天から運んでくれた、神の贈り物のように感じる。
子供の頃から、ここで、ここまで育ててもらった佐渡、トキがもたらして
くれたこの場のチャンスが、また新しいロマンを持たらしてくれたらいい
なと思う。

これから先は佐渡に住む人達・関わった人達がもう少し熱意を持っても
いいのではないか。もしも将来、朱鷺だけでなく、佐渡が自然の楽園に
なるとすれば、とても恩恵を得る事になると思う。
そうなったら、今の洋県と似た暮らしが出来るのではないかと思う。

◆ 洋県での農村の暮らしと朱鷺
子供達はいま、みんな棒を持って田んぼで花粉付けを手伝っている。
私はなぜ棒を持って田んぼで遊んでいるのか解らなかった。洋県の稲
は花芽が低いので、たたいて受粉をさせていると教えてもらって解った。

その時、おじいさんもおばあさんも一緒に作業をしていたので聞くと、
「牛と水と木」があれば自分達も一緒に暮らせるんだ、と。牛というの
は一緒に暮らす友達だと教えてくれた。
何故かと言うと、牛は糞を落としてくれるからとは教わったが、この佐渡
で暮らしている私に世代は鋤、牛を使って田んぼを耕す姿を見ていない。
私に祖母の時代は、担いだ人糞だったが、牛は使っていなかった。
でも洋県では牛で耕す。そしてその牛の後にトキがついて歩く場合があ
る。最高の風景ですね。洋県では二毛作、田んぼの後はトウモロコシを
植える。西安あたりでは麦。農家の方はとても勤勉だと思ったのは、常
に耕している。収穫が終わった後たがやし牛が手伝い、子供も手伝って、
藁とかトウモロコシの乾燥した茎とがある。トウモロコシの場合はそのま
まカマドに使う、そういう暮らしをしている。そういう暮らしの中にトキが
ぜんぜん怖がらずに一緒に暮らしている。なんでか不思議に思っていた。

洋県には、松はそんなに無い。楢の木とか栃の木、佐渡に比べて多い
のはホウの木。自然の植物をみると大差は無い。秦嶺シンレイ山脈とい
うのがあって、中国では秦嶺山脈で気候が全く変わる。したがってある程
度の湿気、暖かさが洋県にあって、植物は佐渡に似ている。

そこで農薬はどうするか、という問題提起で調査すると、最低限の農薬
は使っている。噴霧式の消毒器を使っていて、空中散布はやっていない。
それは、花芽の時とか、トキが山へ行って巣を作る時期というのは、農
業の暦とはバッティングにならない時がある。でも消毒は最低限必要な
こともある、ということで背中に担ぎながら、最低限の範囲をおさえて
いると話していた。
大掛かりな消毒という事になると、微生物や水中生物らにも影響が出て
くると思うが、洋県の考え方を持つようになれば、頭ごなしに農薬反対
運動ではなく、もう少し模索が出来るのではないか。

トキが居るということは鷺もほかの鳥も、他の動物もたくさん居る。子
供達はたわむれながら河で牛と一緒に水遊びをしている。そこに、トキ、
サギが来て、喰いつまんでいる。非常にうらやましい風景がいま洋県で
見ることが出来る。

◆ 中国での課題
政府としては手当てはしているというが、本当に洋県の一軒一軒の農家
にまで手当てが行き渡っているかどうかというとそんなに定かではない。
が、政府としては努力はしているし、秦嶺山脈の伐採は中止させている。

植栽は、誰も動かなければ誰も動かない。でもノルマとして1年間に10
本植えましょうという事になれば、人口が多いのですごい数の木が植え
られる。伐採を見直そうという政策でいま困っているのは、資金の問題
だ。伐採関係の仕事をする人間が万いると言っていた。その人達を
下山させるとなると職場を里地に下ろす、それなら、産業の創生・新し
い仕事・生き方というのを改めて与えなければ生き方を否定することに
なってしまう。これまでは、国の建設のためといって、非常に厳しい山
の仕事をしてきている人達だ。
そんな事が沢山あって、難しいというのが中国陜西省政府の現状だと思
う。

中国としては、出来れば別に意味の借款をお願いしたいという話も出て
いる。その借款をさせても貰えれば、新しい産業の創出、雇用の新しい
職場につながる、という。
洋県政府もいま、新しい産業の創出を研究している。何故かというと、
トキのためにある程度の所は転作をしなければならないのでは、と考え
ているようだ。
今までとは違う副産物で収入を得られるようにしたい、しかし、そのた
めの知識がない、知識が無いから技術を是非教えて欲しいとお願いして
いる。いろんな意味で、教えて欲しい事が色々あるが、佐渡の人を含め
て日本の人は中国について良く知らない。中国は広いので地域によって
は自然環境も生活も違うということが理解されていない。みんな人民服
を着てそこら辺にいるというイメージが強い。これらは、違う中国のイ
メージ、そして私たちに関わりのある陜西省というのはどんなところか、
唐の時代・長安の時代、あんなに栄えたけれども、イコール洋県ではな
い。
佐渡にいる私たちがもう少し洋県がどうしているか、これからどうして
いったらいいか、という事を一緒に話したい。

◆ 資料館
洋県で、一番実現させたいと彼らが言っているのは資料館。
農家の人達は、そばに居る鳥だから、保護するのは当たり前と思ってい
るが、生態が解らない。シンポウムのようなものも洋県には無い。国際
会議もあったが一般市民が参加できるようのものではなかった。
ただ保護して欲しいといとか、増やそうというだけでは説得力が無いの
で、新穂村にあるような資料館を一つ作りたい。子供達にも、遊びなが
らだけど知識として残したい、と言っている。
その子供達がいずれ保護活動やライフワークとして引き継ぐ。
トキが居る自然のなかで生活する事、知識としてもトキを理解できる事、
この自然体が実現する日を関係者は心から望んでいる。

佐渡の人達も、是非トキをきっかけに自分達の住む島の将来を考えてい
きましょう。


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